Childhood's End

映画と本の感想など

十束おとはちゃんに薦めたいお昼休みに丁度いい本

 件名の通りライトノベルとかエッセイ系の紹介を軽く。Kindleで読めるものだけ紹介をしておりますので、死ぬほど暇になったら是非読んで頂きたく。 

 

 

 

 アイドルが奏でる魔法と、その魔法に救われる人についての幸せで残酷な物語。主人公は音楽が視覚的に見えてしまう、いわゆる共感覚を持っている。その能力のせいで音楽(勿論アイドル)には無縁の生活を送っていたが、ひょんな事からアイドルをプロデュースすることになる。

 普通の人には見えていないだけで、アイドルは僕たちに魔法を掛けているのかもしれないと思える素敵な小説。だが、素敵なだけで終わらないところが石川先生の良さだなぁと思うし、結構残酷な終わりになっている気もする。

  この本を読んだ1年後にフィロソフィーのダンス「ベスト・フォー」を聴いた時にもこの本を思い出した。””魔法には自分から、そうかかりに行くものでしょ””とあるが、まさにドンピシャリに表しているなと。人はどこかで魔法に掛かりたいし、折角掛かるなら素敵な魔法に掛かりたいじゃないですか。 

 アイドルをしているおとはすに対して釈迦に説法かもしれませんが、フィクションでしか語り得ないこともあると思いますので、何かの参考になるやもしれません。

 

満腹論

満腹論

 

 坂本真綾という才能に嫉妬しかしなくなるエッセイ集。演技も出来て、歌も歌えて、美人で、それに加えてエッセイストとしても一流ときた。素朴なタッチで本質を突いた文を書く。

 これが3作目なのだが、全く衰えずむしろ冴え渡っている。

 

今回は食事をテーマにしたエッセイの連載をまとめた本。さしずめ、読む『孤独のグルメ』とでも言おうか、読んでいるだけで腹が減ってきて、涎が垂れてしまう。

 

坂本真綾の食を通じたエピソードが色とりどりで飽きが来ない。池波正太郎のエッセイに通じるところもある。食と人について品格と茶目っ気が両立したバランスのある洒脱な文章。これをご馳走と言わず何と言おうか。

 

今回ご紹介した本がおとはすのお気に入りになることを祈っております。