十束おとはちゃんに薦めたい小説を選んでみた(2018年1月)
『屍人荘の殺人』○○○で館がクローズドサークルになるだけならイロモノなのだが、更に踏み込んで○○○がトリックや動機にも絡んでて凄かった。久しぶりに良いもの読めた。○○○ものなのでおとはすにも是非読んで欲しいと思いました。
— かれるれん (@karellen_orz) 2018年1月1日
読んで「コレコレコレコレ!!!!」と膝を打ってしまうくらい、とにかく設定がぶっ飛んでいるミステリ。よくある吹雪や橋が落ちてクローズドサークルになるやつって結構心理的に閉じ込められてる感があるのけど(登場人物達もっと必死になって!!ってなる)、そういったのとは違って今作は舞台の洋館がゾンビで取り囲まれてしまい、本当に出れなくなってしまいます。
だが、「ゾンビに取り囲まれた洋館での殺人」というイロモノのような語りに終始するかと思いきや、最後まで読んでみたら全くイロモノでもキワモノでもなく至極真っ当なバッキバキのミステリ小説でした。
とにかく、ゾンビと言う設定がこれでもかというくらいに物語の根幹に巧妙に絡んでいる。巧すぎる。ストーリーにある種の緊迫感を与える調整役、密室トリックの道具立て、犯人の不可解な行動(ホワイダニット)にまつわる心情部、全てに関わってきていて、ゾンビ侮りがたしとなる。
本格ミステリ☓ゾンビは過去に読んだ、ゾンビが探偵になって事件を解決していく『生ける屍の死』も傑作(これもオススメ)だったのですが、それに続く名作として『屍人荘~』も続いたなと嬉しく思います。
ちなみに、この小説を読んでる時にはフィロソフィーのダンスの「ライクアゾンビ」を聴くとかなりシナジー効果あるのでオススメです。