Childhood's End

映画と本の感想など

『貞子 vs 伽椰子』は日本が送る最恐の““シビルウォー””だ

 祭りっぽい映画だったので休日出勤帰りに鑑賞。

 

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コメディ映画観るぞ

 

◯祭りに向けてあらゆることが動き出す

 映画冒頭から、最期の祭りに向けてあらゆる状況が整えられていくので、強引さと不自然さが際立っている。役者も巧くやり過ぎないように朴訥な感じで本当に書割りにならないくらいの塩梅で表情も暗いしぼうっとしてる印象。日常パートでも誰も楽しそうじゃない(当たり前だが)。唯一生き生きしてるのが、呪いのビデオを追い求めている教授とか、予告で「化物には化物をぶつけるんだよ(ドヤ」ってやってる人くらい。

 いきなり出てきた大学教授の講義では、唐突に都市伝説紹介(貞子とかやこ)が始まる。 教授の部屋にあったポスターも「ポルターガイスト」や「依代」って単語出てきていて、依り代とか完全にオチへの伏線やんけ!!と観終わってから。それに教授がビデオをDVDにダビングしているのを見て百人中百人が「あ~~!!」と思っただろうし。実際佐津川愛美がDVDからデータをネットにアップロードしているし(彼女は機械音痴なのでビデオからDVDをダビングできない)。

 観ている僕としてはもう最期の祭りを楽しみたいので全く気にしないし問題にする奴はいないだろう。ただ、思い出したようにホラー映画の怖い演出が入ってくるのであれはやっぱりビックリする。ただ、2大スターが出ているので演出過多になり過ぎて、最初は本当に刺激的なのだが、時間が経ってそういった伏線一つ一つに心動かされくなる。映画を観ている途中で限界効用逓減の法則を思い出すくらい退屈になっていた。 

 

◯祭り

 呪われた家で呪いのビデオを観る→呪いの家に入った人間が殺されそうになると、それを貞子は自分への敵対行動とみなし呪いを消そうとする。という何となく筋が通っている理屈で「貞子 vs 伽椰子」が実現するのだが正直時間的にもめちゃくちゃ短いし、アクションも全然無いしで正直地味。最終的にお互いがぶつかり合って、融け合ってしまい、しまいには山本美月ちゃんとも?融合して新たな呪いになってしまう。 

 政治的妥協点として空中分解、融和のどちらかしか無いわけで、最後どっちもが混ざってしまうの『エイリアンVSプレデター』で観たやつだ!!!と思った。

 てか、貞子と伽椰子の特徴が似ていてコントラストが全く効いていないのでぼんやりしていた。と言うかこいつらの闘う動機に全く熱が感じられない(当たり前だが)。もっとお互い獲物を奪い合うような描写入れて欲しかった気がする。

 

◯ホラー映画と群像劇の食い合わせ

 ホラー映画と群像劇って意外と相性悪かったりするのかもとは今振り返てみると思ったり。ヒーローものだとマーベルユニバース的な面白さがあるのだが、ホラーになるとその幽霊(化物)の特異性、脅かされている主人公達の恐怖が相対化されるかもしれないし、化物同士に何の繋がりもないし交流も出来ない。

 

佐津川愛美の怖さ

『ヒメアノ~ル』を観た後にこの映画を観ると、佐津川愛美が死を振りまく天使に見えてしょうがないのは気のせいだろうか。あの子に関わると異次元に呼ばれるのかもしれない。『ヒメアノ~ル』では主人公が彼女とチョメチョメしたら殺人鬼に追い掛けられるし、『貞子~』では彼女のお願いごとから物語が転がり始めている(追い打ちをかけたのは山本美月だが)。彼女今後サスペンスとかホラーでどんどん起用されるのでは。 

 

◯映画よりこういう盛り上げの方が楽しかった

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