Childhood's End

映画と本の感想など

『アマデウス』 生まれる時代を間違えた2人の哀しみ

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 土曜日にたまたま立川駅付近で宿泊したのでその流れで立川シネマシティへ。極音上映会と銘打っていたので迷わず鑑賞。

 

商人の父親に反対されながらも音楽家を目指すサリエリ(F.M.エイブラハム)は、理解のある父親を持ち「天才」「神童」と評されるモーツァルト(T.ハルス)を妬ましく思っていた。やがて宮廷音楽家となったサリエリは、下品な笑い声を上げ、女の尻を追い掛け回す男――モーツァルトに出会う。その日からサリエリの運命は狂いはじめる。

 上映時間 3時間あって中だるみするかと思いきや全くそうならず観ることが出来ました。モーツアルトの才能にただ一人オンタイムで気がついていたサリエリ。気がついていた故に嫉妬で狂ってしまいモーツアルトを殺したサリエリサリエリの素晴らしい審美眼と少しの才能しか持ち得なかった凡人(自分に才能を与えなかった神を恨み、神とモーツアルトを同一視してしまう狂信者)としての悲哀にまみれた映画にみえるが、モーツアルト側からしたら全く話が変わってくるように思える。

 いくら自分が完璧なオペラを作っても周囲の人間には正しく理解されず、サリエリも裏で手を引いていたこと以上に自身の怠惰な性格によって、どん詰まりになっていき自暴自棄になっていくモーツアルトであったが、自分の才能をただ唯一正しく評価してくれている人が一人でも居たという事実は彼の荒廃した心を癒やしたのではないか。モーツアルトが死ぬ前の夜サリエリにレクイエムを口述筆記して貰っていたシーンは本当に素晴らしかった。天才も凡人もどっちが欠けてもダメなのかもしれない。

  この2人生まれる時代が200年くらい後だったら絶対に「最強のふたり」になれただろうと思わせるくらい最期のシーンはイチャイチャっぷりが半端なかった。

 

ch.nicovideo.jp

 

ニコニコ動画でも有料ではあるが観れるみたいですが、7月22日(金)までは劇場でも観れるみたいなので是非劇場で観て欲しい一本。