Childhood's End

映画と本の感想など

雨宮天『Variou BLUE』を聴いた

 雨宮天のコンセプトアルバム。これだけ聴けば何をコンセプトとしているのか分からないということは無いというくらい、彼女の「青」好き(最早執着と言ってもいい)は一部界隈では話題になっている。そんな青好きな雨宮が出すアルバム。期待しないわけにはいかない。アルバム(ブルーレイ付き)を実際に買ってみて中を見ると凄い。青、青、青。円盤、写真の雨宮さんの衣装・小道具、歌詞の文字も全部青い。作ったやつは変態かパラノイアに違いない。これで彼女の髪とかも青かったらダダスベリなので絶妙なバランスではある。ここまでしっかりしていると本当にアイチューンズとかで買わなくて正解だったと思えるし、モノとして残して置いておけるくらいカッコイイので買って良かったなぁと感じた。

 「Absolute Blue」の掴みはバッチリ。MVもついていたので30回くらい鑑賞。青い天ちゃん、白い天ちゃんの2人が出てくる。青い衣装を着てる天ちゃん。青い衣装がめちゃくちゃ似合う。ストーリーは皆無だけど、とにかく天ちゃんを綺麗に映そうとする監督の気概が伝わってくる。以下感想は註釈で→*1

 

夢空

 不安と期待が入り混じっている青い(若い)彼女の心情が伝わってくる曲。一緒に手を振るやつやろうな。

 

「羽根輪舞」

 タイトルの読みが「フェザーロンド」ってなってて中二だってなったけど、実際聴いてみると凄く色っぽい。何かジャズっぽい曲調なので100%生バンドで聴きたい曲になった。

 

 「Glitter」

 天ちゃんが匂いを嗅ぐ鼻音が入ってる。フェティシズムをひたすらにくすぐる曲だ。匂いの合音(あお)。一緒に匂いを嗅いでみたら20代後半独身男性の部屋の匂いがしたので、屋外ですーはーすることをおすすめします。

「ASH」

 灰=ハイになれる曲。

 

「チョ・イ・ス」

 雨(青)が上がって前向きに進んでいくヒロインの曲。いつもの雨宮のイメージ=ネガティブとは180度正反対ポジティブな曲だが、こういう曲もちゃんと歌えるようになったんだと今まで彼女が歌ってきた「My Song」の積み重ねを感じさせる曲になっている(誰目線だ)。

「Silen Sword」

 めーーーっちゃ盛り上がりそうだし、生バンドでギター演奏聴きたい以外の感情を喪ってる。

「After the Tears

 「チョ・イ・ス」のように背中を押す感じではなく、噛みしめて聴いて内発性が喚起されるような応援歌。涙の青。冊子では見開き左側に天ちゃんがピアノ弾いてる写真で、右側に歌詞が載ってるので相乗効果凄い。CDで買ってないオタクは早くAmazonで注文してくれ。

「RAINBOW」

 青をコンセプトにしたアルバムの最後に7色(欧米だと6色とか)を意味する虹をタイトルに冠した曲を置いてくるあたり巧い。今後の彼女の行く先は大きく広がっていますよというメッセージが込められているのだろうと勝手にオタクが深読みするようなタイトルだものなぁ。夢空」で自分の「世界がひろがっていく」ことを怖がっていた彼女はもういないのだ。

 ※しゃばりオタクが7色のサイリウム配って会場をレインボーにしましょうとかいうクソみたいなことをやらずに、分かり手オタクが色合い異なる青7タイプのサイリウムとかを準備してくれ。頼むぞ分かり手オタク。

 

*1:

 青、白のパートが切り替わって進行するのだけど、青パートは青い衣装を着て鏡の部屋(薄暗い)で歌う天ちゃん、白パートは白い衣装を着た天ちゃんが天空?で歩いてる。

 個人的には天ちゃんは光溢れる場所ではなくて、光と影が共生している場所でこそ輝いてるのではとこのMV(とVelvet)を観て感じた。天ちゃんの色っぽさ・艶っぽさは白くまばゆい光よりも、陰影のある中に差し込む一筋の光に照らされてこそ活きる。何だろう。MVの最初のカットくらいで涙袋が色っぽ過ぎる。※試聴用(下記リンク)では23秒あたりが涙袋観れる。

www.sonymusic.co.jp

 

 白パートでは微妙なCGを使ってたのに、青パートではしっかりセットを組んでたの何でだろう。ずっと青パートで良かったよ~たまに入る白い衣装で照明で幻想的にしてるシーンをちょいちょいアクセントで見せてくれればと思ったけど、何か狙いがあったのだろうか。歌詞に頻出する「巡る命逆らって」と空のイメージが繋がってるのだろうか。「旅の終わりはきっと 迷うことない色に巡り合う」という歌詞もあるので、だったら青との対比で白以外のあらゆる色を置くべきなのでは?とも思ったり。絶対的な青VSその他の色の対比にしたら撮影も大変だし、CGも作るの大変そうだしで不採用になったのだろうか。考えても詮ないことか…