Childhood's End

映画と本の感想など

『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』(2014年)

 

映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』公式サイト

 

アイドルとチェキを撮った後に鑑賞。覚書。

 

◯あらすじ

2013年10月1日、BANKSYがニューヨークで展示をスタートさせた。告知もなく突然始まったその展示は、毎日1点ニューヨーク各地の路上に作品を残し、場所を明かさず公式サイトに投稿。人々はその作品を求めてニューヨーク中を駆け回るという、ストリートとインターネット上の両方で勃発した「宝探し競争」だった。

 毎日発表される展示物、それに群がるファン達、グラフィックを消す行政、グラフィックを守る市井の人、展示物を転売して利ざやを狙う自動車整備士とバイヤー達がドキュメントされていた。

 

なぜバンクシーだけが壁に描くことを許されるのか | VICE JAPAN

この記事を読むとバンクシーの地元ロンドンでは、作品を保存する人達が多いことが書かれている。理由は作品が素晴らしいからではなくお金になるからという理由。

 

では、何故お金になるのか。作品の投機的価値とは別に、作品がその「場」に与える影響も大きいのではないか。映画の中では展示がある近くのお店では人が増えて売上が上がったみたいな描き方がされていた。映画を観ている時に、これとおんなじようなこと思い当たるなぁと思ったらいわゆる1つの「聖地巡礼」だと思い当たった。

 

d.hatena.ne.jp

いちど聖地化してしまえば、その場所には作品の中での出来事が歴史(偽史)として付加されてしまう。言いかえれば、その場所の歴史が偽史によって上書きされてしまう、ということだ。

聖地巡礼について僕は特に詳しくはないけれどこういうブログを読んでみるとやっぱり似ているなぁと思ったり。両者に共通するのは現実を上書きする点だろう。退屈な町並みを色鮮やかに変えてしまうアートの力強さ。

 

 

また、バンクシーの正体が分からないこともミステリアスで面白いですね。

 

バンクシーの映画を観ていてこのタイトルが流行遅れっぽいネット小説を思い出しましたが、モデルがバンクシーなのかもしれないですが内容は小説家になろうでは珍しい現代の男子高校生の話でした。面白いのでどうぞ(最後に別作品の紹介になってしまった)。