Childhood's End

映画と本の感想など

おとはすにはお薦めしないけど面白かった本「低み!」

 

ライムスター宇多丸も唸った人生を変える最強の「自己低発」 低み
 

 読んでいてこんなに安心するが同時に恐怖感を覚える本は無かったと確信を持って言える一冊。下手なホラーよりもよっぽど怖い。

 

 本書は、ラジオ番組で投稿された中から厳選された66個の低みエピソードが掲載されている。特に何かタメになるようなことが掲載されているとかではない。

 

 この本では、「低み」を

他社に不快感を与える可能性があるが、法律を順守し、自己完結しているため、具体的な問題は起こらない行為、もしくは考え方のこと

 と定義している。砕けて言うと、「人として”何か”が低い・・・」だろう。

 具体例を一つくらい引用してみようかと思ったが、どれもネットの海にドロップするのが憚られるような内容ばかりで控えるくらい酷い(良くも悪くも)。本当にこんなことやってる人がいるのだなと、人間の多様性について思いを馳せたり、自分はこんなに低くなくて良かったと安心できるエピソードばかり。だが、同時に読んでいて恐怖を覚えることもある。

 このエピソードを読んでいる自分自身も、何か「低い」ことを無意識にしているのではないか?と常に問いかけられている気がするのだ。

 読書は自分を映す鏡とはよく言ったもので、ここまで自分の生活での行動や態度を振り替えって反芻する読書体験は本当に稀有であるし、その機会を与えてくれたと言う点において本書は真の意味での自己啓発本なのかもしれない。